こんにちは、医療法人 幸美会
なかむら歯科クリニック
非常勤歯科医師・口腔外科認定医の山本です。
本日は、タイトルにあるように
「Evidence Based Medicine」
略して、「E B M」について、お話したいと思います。
上にある英語は、
「エビデンス ベースド メディスン」と読みます。
これは、日本語に訳すと、
「科学的根拠に基づく医療」と、よく訳されています。
。。。、
。。。、
。。。、
「何だか難しそう、、、」
ですよね。
文字だけ見るとそんな感じがします。
でも、実はそんなことないのです。
例えば、こんなことを一緒に考えていきましょう。
突然ですが、このクリニックブログを
閲覧している方々は、普段から牛乳をよく飲んでいますか?
子どもの頃、ずっとこのように言われ続けました。
「牛乳にはカルシウムが含まれていて、
骨が強くなるから飲みなさい」と。
学校で給食があった頃は、毎日飲んでいましたよね。
あるいは、今まさに、給食を召し上がっている学童の子達は、飲んでいますよね。
僕が通っていた小学校は、好き嫌いが許されず、
すべて食べ終えるまで、昼休みに遊ばせてもらえませんでした。
当時より僕は好き嫌いがほとんどなく、遊べないことはありませんでしたが、
牛乳が嫌いな友達は、毎日昼休みの間ずっと牛乳と格闘していました。
牛乳だけは毎日出るので、その子にしてみれば、
毎日が拷問だったに違いありません(^^;)
先日、英医学誌「British Medical Journal」に
ある論文が発表されました。
その内容は、、、
「牛乳の摂取量が多くなっても骨折の危険性は低下せず、
むしろ死亡率の増加と関連する可能性がある」
というものでした。
詳しい研究結果はネットで確認して頂くとして (^_^;)、
簡潔にいうと、
「1日3杯以上の牛乳を飲む人と1杯以下の人では、
3杯以上飲む人のほうが死亡率が高く、骨折頻度は同程度」
だったそうです。
牛乳には糖類の一種である「D-ガラクトース」が
多く含まれていて、これが、動物実験では老化を促進し、
寿命を縮める物質であることが分かったんだとか。
牛乳嫌いだった友人が読んだら、
「オレの昼休みを返せぇ!!!」
と叫ぶんじゃないでしょうか(笑)
ただし、研究チームは、
「今回の研究で示された牛乳の摂取量と死亡率・骨折頻度との関連性については、
偶然の可能性も排除できず、推奨摂取量の見直しにつなげるためには、
さらなる研究が必要だ」
とも言っているので、まだ結論づけられないというのが正直なところでしょうか。
「牛乳を飲むと骨が丈夫になる」
のように、昔から迷信やジンクスなど、言い伝えられたことは数多くあります。
例えば、、、
「初ものを食べると75日寿命が延びる」
「お酢を飲むと体が柔らかくなる」
「茶柱が立つと縁起が良い」
「夜、爪を切ると、親の死に目に会えない」
などなど、みなさんも、お父さんやお母さんから聞いたことあるかと思います。
大人になって「そんなことはない」と思いつつも、
なんとなく信じている自分がいるのも事実。
僕はいまだに、まっすぐに、スッと立つ茶柱を見ただけで、
一日中ウキウキです。笑
ところで、アメリカの「lifehacker」というサイトには、
“医学的根拠をもとに、それは勘違いだ”
と指摘する身体にまつわる言い伝えが、いくつか掲載されています。
それが、今回のブログタイトルにある
Evidence Based Medicineにつながっていくのですが、
それについては、また、次回、お伝え致します。
最後まで、お読み頂き、ありがとうございました。
福山市 なかむら歯科クリニック
口腔外科認定医 山本 一博 拝
歯科治療でも、エビデンスがあると納得してしまう
歯科衛生士、小林です。
山本先生は、英文を日本語の文章と同じ感覚で読めることに、
本当に尊敬します。
さすがです。