インプラント治療

右上7番インプラント治療

私の身内のインプラントの治療が終わったので、ご紹介しますね。
(ちょっと生々しい写真もありますので、気になる方は気を付けて見てくださいね)

 定期健診の折に、右上奥の歯に違和感があるとのことで、お口の中全体のレントゲンと部分的なレントゲンを撮り症状を確認しました。診断の結果、抜歯するのが一番良いとのことで、抜歯をすることになりました。

ここで考えたのが抜歯後の治療です。今回は一番後ろの歯とのことでブリッジは選択できず、義歯かインプラントになります。以前に一度インプラント治療を経験していることもあり、今回もインプラントで治療することになりました。

抜歯の時に採血も行い血液からCGFという成分を取り出して、歯を抜いた所に入れました。

この黄色いプルンとしたものを入れることで、痛みを和らげたり、新しく骨が出来やすくなるので、インプラント治療予定で抜歯される方には特におススメです。

抜歯後、骨が出来るのを待ちます。ひたすら待ちます。この間に定期健診なども行います。もし他の虫歯の治療があれば、この期間に行うことも可能です。

待つこと5カ月、CTを撮影し骨が出来ていることも確認できたので、インプラント治療にとりかかります。

まずは、インプラント治療を正確・安全に進めるためのガイドを作成します。上下の歯並びの型取りと噛み合わせの型を取り、先日撮影したCTと一緒に技工所さんに送って作ってもらいます。(下の写真は見本です)

このガイドは、手術の時に歯に付ける硬いマウスピースのようなものですが、これに開いている穴に治療器具を通すことで、正しい位置、正しい角度、正しい深さにフィクスチャーと呼ばれるインプラントの本体を埋入することができます。

そして、1回目の手術、フィクスチャーを埋入していきます。
通常、インプラントの治療は2回の外科手術と1回の補綴治療を行います。1度目の治療でフィクスチャーを歯槽骨という歯を支えている骨の中に埋め込みます。骨にフィクスチャーが固定されるのを待って、2回目の手術を行います。
この手術で歯茎の中に埋まっているフィクスチャーの頭の部分を歯茎から覗かせて、土台と上部構造と言われる歯をつけれるようにします。

そして、歯茎が治って落ち着いてから、上部構造を作る補綴治療を行います。

撮影したCTを見ると、しっかりと骨が出来ていました。(左下の画像に骨の厚みが記入されています)今回は直径5mm高さ10mmのフィクスチャーを埋入したのですが、周りが骨に囲まれた状態で埋入できました。もし骨が少なかった場合は埋入と同時に骨を増やすGBRという処置を行います。
下の術後のレントゲンに埋入されたフィクスチャーがしっかりと映っていますね。
(向かって左側のフィクスチャーが今回埋入したものです)

そして、2次手術。
私の身内の場合は、歯茎が十分に有ったため、フィクスチャーとアバットメントと呼ばれる土台を取り付ける範囲のみ穴を開ける方法が採られました。通常の歯茎を切って接合部を出す方法と違い、傷の治りが早いのが特徴です。

傷が治ったら、人工の歯、上部構造を作ります。少し特別な器具を使いますが、型と噛み合わせを取って、技工所さんに作ってもらいます。下の写真のようにジルコニアと呼ばれるセラミック製の歯がキレイに入りました。

ところで、なかむら歯科クリニックでは、土台と上部構造はセラミック製のものしか使いません。

どうしてだと思いますか?

インプラントは、無くなった歯を人工の歯に置き換えて取り戻す治療ですが、万能ではありません。全部人工のもので出来ているので、虫歯にだけはなりませんが、天然の歯と同じく歯周病によりグラついて抜けてしまったり、折れてしまう可能性はあります。

セラミックの特徴として、表面が非常にツルっとしているため、汚れが留まりにくいという性質があります。歯周病にならないよう一番汚れの溜まりにくい素材を使っているんです。

これで、インプラントの一連の治療が終了しましたが、「しっかり咬める!」ととても喜ばれています。今後は歯周病(正確にはインプラント周囲炎といいますが)にならないよう、定期的な検診を受けていただき、ご自身の歯と同じように長く使って頂けたらと思います。

医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 金谷省吾

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA